Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

せかいかいきじつわ「じょぶん」

世界怪奇実話

牧 逸馬

Lisez 世界怪奇実話 (せかいかいきじつわ「じょぶん」) de 牧 逸馬 (まきいつま) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 251 305 caractères · 498 écrans

Aozora Bunko

※(「足へん+宛」、第3水準1-92-36)いても足が床へ届かないように注意して吊り下がっているのだ。何度もいう通り、鉤が割りに低いところにあり、それに綱が長いので、普通なら身長が立って縊死の目的は達せられないのである。

警察への直通電話は、室内線が切断してあった。晩飯を部屋へ取ったので、その時ついて来た焼肉用の鋭い小刀が、床に落ちていた。その刄に、電話線の包皮の絹糸の屑が、引っ掛っていた。

これで四人――ことごとく金曜日の夜、この三階の十四号室で自殺したのだ。

「自殺」――? モウパア警部は茲に初めて真剣に首を捻って、部屋の戸に巡査を立たして十四号室を警察の管理に移すと同時に、急遽上司である巴里警視庁のムッシュウ・ドュフラスの出張を求める。

捜査課長ドュフラス氏がホテル・アムステルダムへ駈けつけてみると、モウパア警部は、蒼白く沈黙しているリカルド・ガリバルジの死顔の上へ蹲踞み込んで、歯のあいだから、独り言を呻いていた。

「これは自殺じゃない! 断じて自殺じゃない!」

部屋へ這入ったドュフラス氏が、背ろから声を掛けた。

「ほほう、自殺でないとすると――?」