Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
せそう
世相
織田 作之助
Lisez 世相 (せそう) de 織田 作之助 (おださくのすけ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 32 089 caractères · 64 écrans
石田が待合へ戻って来ると、再び情痴の末の虚脱状態。嗅ぎつけた細君から電話が掛る。石田を細君の手へ戻す時間が近づく。しごきを取って石田の首に巻きつける。はじめは閨房のたわむれの一つであった。だから、石田はうっとりとして、もっと緊めてくれ、いい気持だから。そんな遊びを続けているうちに、ぐっと力がはいる。石田はぐったりする。これで石田は自分のものだ。定吉二人。定は自分の名、吉は石田の名。
…………………………
真面目になろうと思ってはいった所が石田の所だったとは、なにか運命的である。私はこの運命のいたずらを中心に、彼女の流転の半生を書けば、女のあわれさが表現出来ると思った。が、戦前の(十銭芸者)の原稿すら発表出来なかったのだ。戦争はもう三年目であり、検閲のきびしさは前代未聞である。永年探しもとめてやっと手に入れた公判記録だが、もう時期を失していた。折角の材料も戦争が終るまで役立てることは出来ない。といってそれまで借りて置くわけにもいかなかった。
「いずれまた借りますから」と、失わないうちに、私はその公判記録を天辰の主人に返しに行くと、
「そうですか、やっぱり戦争だと書けませんか。