Classiques japonais avec furigana
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かかこうしゅ
中国の怪談(二)
田中 貢太郎
Lisez 中国の怪談(二) (かかこうしゅ) de 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 107 926 caractères · 225 écrans
陳の幼な友達に梁子俊という者があった。南方へ往って官吏をしていて、十余年目に故郷へ帰ってきたが、洞庭を舟で通っていると、一艘の画舫がいた。それは檻に雕彫をした朱の窓の見える美しい舟であったが、中から笙に合せて歌う歌声がかすかに聞えていた。水の上には霞がかかってあるかないかの波が緩く画舫にからんでいた。その時美しい女があってその画舫の窓を啓けてそこに憑れながら四辺を眺めた。梁は画舫の中へ目をやった。一人の少年が股を重ねて坐り、その傍に十五六の美しい女がいて、少年の肩をもんでいた。梁は楚の襄王のような貴人であろうとおもったが、それにしては従者がひどくすくなかった。梁は眸を凝らしてじっと見た。それは幼な友達の陳明允であった。
「陳君じゃないか」
梁は覚えず体を舟の欄に出して大声に言った。陳は梁の呼ぶ声を聞いて、棹を罷めさして水鳥の象を画いた舳に出て、梁を迎えて舟をやった。舟の中には喫いあらした肴が一ぱいあって、酒の匂いがたちこめていた。陳はすぐ言いつけてそれをさげさしたが、間もなく美しい侍女が三五人来て、酒をすすめ茗を烹た。そこに山海の珍味が並べられたが、まだ一度も見たことのないものであった。