Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かずえはいそがしい

主計は忙しい

山本 周五郎

Lisez 主計は忙しい (かずえはいそがしい) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 18 315 caractères · 37 écrans

Aozora Bunko

主計はいちど坐ってまた立った、「――どこにいたらいいんだ、なにかするんだろうか、座敷へなにか運ぶんだろうか」

すっかりあがりぎみで、廊下へ出たとたんばったり母に会った。母、さよう、主計の生みの母である。

「ああお母さん、ど、どうなすったんです」

母は盛装していた。そして妹の手を曳いている。妹のたまきは白無垢を着て、白のかいどりを重ね、裾を長くひいていた。あれっと思って振返ると、原田という叔父夫妻と父の茂右衛門がみえた。

――ははあ、……ははあ。

主計は、ごくっと喉を鳴らした。

「いやどうも」彼は後ろへ退った、「――きれいですね、たまきは、私は来ていたんですよ、このとおりです、向うにいますから」

身を飜すという風に、彼は六郎兵衛の居間へとんでいった。そして友達を廊下の隅へ引張ってゆくと、いきなりげらげらと笑いだした。

「どうしたんだ、ばかだね、なにが可笑しいんだ、おい、なにをそう笑うんだ」

「もうちょっと笑わしてくれ」

そしてようやく笑いやむと、相手の耳へ口を寄せて事情を囁いた。

「なんだって」六郎兵衛は例のめだまを大きく瞠った、「――おい主計、きさま、おい、それは本当のことか」