Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ここのつのかぎ

九つの鍵

野村 胡堂

Lisez 九つの鍵 (ここのつのかぎ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 21 349 caractères · 42 écrans

Aozora Bunko

水道はさいわいビルの外側に取りつけた、雑用のものをそのまま使い、怪しいながらストーヴまで備えて、この寒空にもどうにか凌げるようになっており、ビルの壁にはミレーの版画と油絵の道具が一式かけてあるのが、この貧しげな焼けトタンの小屋を、ひどく明るく、そして文化的なものにしております。

夜はもう十二時を過ぎたでしょう。馬吉少年を走らせて、ここにくることを自宅へ知らせた狩屋三郎は、幸子にすすめられるまま、しばらくここで見張って、長い夜を明かそうと決心したのでした。

不安と焦燥のうちにも、三人の話は次第にほぐれて行きます。それは若さと純情さのおかげでしょうが、一つは波野幸子のうちとけた親切と、その見なりにも生活にも似ぬ、理解や品のよさや、行きとどいた注意などが、すっかり三郎を安心させたのです。

「どうして、悪者がお妹さんをさらったんでしょう、何んか、心当りはありません?」

幸子は熱い茶を一杯すすめながら、屈託しきった狩屋三郎をうながします。何んか話でもしていたら、少しは心もちもまぎれるだろうと思ったようです。

「心当りはあるんですよ、――悪者共は、大変なものを狙っているんです」