Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

くだん

九段

坂口 安吾

Lisez 九段 (くだん) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 9 870 caractères · 20 écrans

Aozora Bunko

唐草模様のような手のこんだものだが、しかしスッキリとしていてそう品の悪いものではない。そろいのユカタと云ったって、花柳地の姐さんがお揃いで着るものだから、イヤ味やヤボなところはない。姐さんのユカタだから模様はコッテリしているが、万事コッテリの関西育ちの大山の目には、いかにも気のきいた、イキなユカタに見えた。

大山はビックリして、腕を通した片袖を顔の近くへひきよせ、やがてその裏をいそいでひッくり返して調べた。

あまりのことに、彼は言うべき言葉を失ったのである。その模様には一目ではそれと分らぬように、いかにも粋な工夫をこらして、くだん、とか、九段という文字があしらッてあるのだ。

彼はことごとく驚いた。名人位にくらべれば九段などはさしたるものではないようだが、さて九段になれば、九段は九段、人々は祝福し、彼はそれに満足であった。しかしこんな細いところにマゴコロをこめて、九段昇段を祝ってくれる旅館があろうなどと想像していなかった。誰がそのようなマゴコロを想像しうるであろうか。棋士を愛すること世の常ではない旅館なればこそであり、また好みの素ばらしさ、粋な思いつきは、天下の名士があげて集る第一流の旅館だけのことはある。