Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
こじきがくせい
乞食学生
Lisez 乞食学生 (こじきがくせい) de Dazai Osamu (太宰 治) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 33 682 caractères · 68 écrans
「僕を木村武雄と呼んでくれ給え。」と言い足してみたが、私は、やはりなんだか恥ずかしかった。
「木村たけお。」佐伯は、うなずいて、「木村武雄くんと一緒に来たんだがね。」
「木村たけお? 木村、武雄くんですか?」障子の中でも、不審そうに呟いている。私は、たまらなくなって来た。木村武雄という名は、世界で一ばん愚劣なもののように思われた。
「木村武雄という者ですが。」私は、やぶれかぶれに早口で言って、「お願いがあって、やって来たんですけど。」
「おゆるし下さい。」意外の返事であった。「初対面のおかたとは、お逢いするのが苦しいのです。」
「何を言ってやがる。相変らず鼻持ちならねえ。」と佐伯が小声で呟いたのを、障子のかなたから聞き取った様子で、
「その鼻のことです。私は鼻を虫に刺されました。こんな見苦しい有様で、初対面のおかたと逢うのは、何より、つらい事です。人間は、第一印象が大事ですから。」
私たちは、爆笑した。
「ばかばかしい。」佐伯は、障子をがらりと開けて転げ込むようにして部屋へはいった。私も、おなかを抑えて笑い咽びよろよろ部屋へ、はいってしまった。
薄暗い八畳間の片隅に、紺絣を着た丸坊主の少年がひとりきちんと膝を折って坐っていた。