Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ちぶさ
乳房
宮本 百合子
Lisez 乳房 (ちぶさ) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 27 932 caractères · 56 écrans
ひろ子は覚えず、
「マア、可哀想に! こんなところに巣なんかかけて」
と云った。するとそこにいあわせた髭の濃い男が、
「なに可哀想なもんか! 安全に保護されることを知ってるんだよ」
そう云って、ジロジロひろ子を上へ下へ見ていたが、
「君なんぞも子供を一人生みゃいいんだ。さぞ可愛がるだろうな、目に見えるようだ」
ひろ子は、その男の正面に視線を据えて、
「深川をかえして下さい」
そう云った。男は黙りこんだ。
ひろ子がそこから帰って、託児所へ住むようになったばかりの夏の末、お花さんの友達が現場で大怪我をして病院にかつぎこまれたことがあった。
ちい坊を託児所にあずかって、下の四畳半へねかしたまま、団扇で蚊を追い追い、ひろ子はそのわきで本を読んでいた。やがて眼をさましたちい坊は、泣き出してどうしてもだまらない。鼻のあたまに汗をかいて泣きしきるので、ひろ子はああと思いつき、その思いつきに自分で嬉しがりながら、
「さア、これでどう? ちい公もこれじゃ泣けまい?」
そう云いながら白いブラウスの胸をひろげて、ひろ子は自分の乳房を泣いている赤坊の口元にさしつけた。ちい公は、その時分からしなびて、顔色や足の裏の血色がわるい児であったが、ほそい赤い輪のように口をひろげ、さぐりついてやっとひろ子の乳首をふくんだかと思うと、すぐ舌でその乳首