Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ちぶさ
乳房
宮本 百合子
Lisez 乳房 (ちぶさ) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 27 932 caractères · 56 écrans
大谷は、土間に落した吸い殼を穿き減らした下駄のうしろで踏み消しながら、
「――じゃ頼みました、八時に、山岸、ね」
「…………」
ひろ子は、片腕を高く頭の上へまわして、左手でその手の先を引ぱるような困惑の表情をした。
「子供のものもらいのことがあるし――、弱ったわ、本当に」
「ん――。ひる前ですむよ。それからだっていいだろう? もし何なら夜だっていいさ、診療所はどうせ十時までだもの」
ひろ子は、そういうやりかたでなく、もっと親たちの心持にも響いてゆくように、託児所の手不足からひろがったものもらいの始末をしたいのであった。夕方、迎えに立ちよるおっかさんの顔を見るなり、
「おっかちゃん! 六坊、きょう先生んとこへ行ったよ、目洗ったんだよ! ちっとも痛くなんかないや!」
ぴんつくしながら子供の口からきかされれば、同じことながら母親たちが感じるあたたかみはどんなに違うだろう。
沢崎がつかまえられているからばかりでなく、特に今そういう心くばりは母親たちの託児所に対する気持の傾きに対しても大切だ。ひろ子にはその必要が見えていた。大谷がいそがしい活動の間で、そこへ迄気がつかないのは無理ないし、大体、今度の応援につれて託児所として起って来ている毎日の様々の困難は、個人的な立話で解決されることでもないのであった。