Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
かんぱい
乾杯
豊島 与志雄
Lisez 乾杯 (かんぱい) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 8 788 caractères · 18 écrans
そして次第に、山川家に寝泊りすることが多くなり、殊に、正吉の病気から死去から仏事へかけては、山川家の一員のようになって働きました。そういう状態も、もういずれかへ決定すべき時期になったのでありました。つまり、彼女は信一と共に鎌倉に住むか、山川家に住むか、どちらかにすべき場合でありました。
ところで、二人の情愛の問題につきましては、山川正太郎が多年守り通してきた独身主義と、加納春子の子の信一と、両方を互に尊重して、結婚は最初から問題でありませんでした。それを前提として考えますれば、彼女が鎌倉に住むことは、或は情愛を通じ合う途があるかも知れぬことになりますし、彼女が信一と共に公然と山川家に住むことは、情愛を封殺することになるのでした。それが、彼等の人間としての道義でありました。この点も、暗黙の間に理解されていました。
山川正太郎の返答を聞いて、加納春子はぽっと頬に赤みをさしました。そしてじっと宙に眼を据えました。
彼女の頬の赤みが引いてしまう頃、山川正太郎は涙ぐんで感傷の底に沈んでゆきました。その底から泳ぎ上ろうとするかのように彼は言いました。
「この決心は、いけないでしょうか。