Classiques japonais avec furigana
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よのえがかんとほっするさくひん
予の描かんと欲する作品
Lisez 予の描かんと欲する作品 (よのえがかんとほっするさくひん) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 2 615 caractères · 6 écrans
なるのならば、然うじゃないとお答えする。それは作家として茲に一種の教訓的の考えを頭に置いて、其考えに都合の好いように人物を造り、事件を発展させて作物を捏ね上げたと云うことは、自分で作家の資格を削り取ると同じことではあるまいか。けれ共、一種の作品が出来て、其作品が、作品として出来上る――即ち作品として外のモーチブに支配を受けないと云う意味、更に言葉を換えて詳しく云うならば、自分が利害関係の為めに作品を拵らえ上げたとか、或は私憤を洩らす為めに書き上げたとか、総べて目的の他にある所の作品は、私は作品として出来上ったとは言わない。作品として出来上ったと云う意味は、何物の支配命令も拘束も受けずに、作品其物を作り上げるを目的として作られた作品のことである。で、作品として出来上った所の其作品が、何かの教訓を読者に与えるなれば、敢て作家の辞する所でない。一向差支えないのである。だから読者が『虞美人草』を読んで、此の作は斯う云う教訓を書くために、それに合せるように殊更に作家が筆を曲げて書いたのだと云うことを感じるなれば、私は其作に殊更故意に書き上げた作為の痕跡が見える丈け、それ丈け多くの作品としては失敗したものであると言わねばならぬ。