Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ふたつのいえをつなぐかいそう
二つの家を繋ぐ回想
宮本 百合子
Lisez 二つの家を繋ぐ回想 (ふたつのいえをつなぐかいそう) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 18 480 caractères · 37 écrans
けれども、切角林町で幸福に、深い感興を覚えて来ても、一歩家に入ると、Aの、何とも云えない険悪な、陰鬱な感情に充満されて居るのを見るのが、如何にも自分には苦しかった。
彼には、私が独りで彼方に行き、独りで相当に楽しく愉快にして来るのが、云い難い不快であるらしい。厭な、狭い、暗い顔をして机に向い、気のない声で私の「只今」に応え、思い知れと云う風をされると、自分は失望や悲しみで、猛然と掴みかかりたい激情を覚えるのだ。
若し自分が行くのが不愉快なら、何故フランクに行くな、と云って呉れないのか、
行かせたなら、どうして、もう少し寛大に、自分の娯んで来たことを悦んで呉れないのか、
其為に、行って来ても、受けた十の悦びを、一にも半分にも減して表情に顕す自分を自覚し、私は我ながらぞっとした。
Aが愉快そうでなければ結局、自分もしんから楽しくはなれない。然し、林町での心持よさは忘られない。その内心の鼓動を、Aの傷かない程度に表現しようと無意識にもする為、時には、些か迷惑であったことを誇大したり、ハアティーに笑って過した数時間を、詰らなそうに話してきかせたりすることが起ったのである。