Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ふたつのにわ
二つの庭
宮本 百合子
Lisez 二つの庭 (ふたつのにわ) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 195 492 caractères · 389 écrans
「僕の命がある間は、このこころもち、変えようないんだ」
伸子とすれば、それをそのまま多計代に告げておくしかなかった。問題を根本からこねかえすためには、もう時間のゆとりがなかった。伸子は、あと四五日で東京を立たなければならず、大型のハンドバッグの中には、トゥリスト・ビューローで買った東京モスクワ間の切符が入っているのだった。つづけて伸子の心に、保のいったことが思い出された。やっぱりおととい、伸子は手まわりの荷物をつめた大小のスーツ・ケースと一緒に、本をつめた行李を二つタクシーで動坂へ運んだ。その行李にはもしかいることがあるかと思って、ビール箱につめてしまわなかった文学書が入っていた。伸子が、その行李を、中玄関横の板じきにおいているところへ、保が出て来た。伸子は、
「あら、丁度よかった」
いつもの単純な調子でいくらか一人のみこみに、
「この行李、保さんあずかってよ」
といった。
「もしかしたらあとから送ってほしい本を入れてあるの。たのむわね」
どうしたのか保は、そのときすぐ返事をしなかった。伸子はかさねて、
「ね、おねがい」
といった。すると保は、なんとなくその行李の繩に手をかけ、重みでもはかるように背を曲げて下を向いたまま、