Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しつらくえんさつじんじけん
二十世紀鉄仮面
小栗 虫太郎
Lisez 二十世紀鉄仮面 (しつらくえんさつじんじけん) de 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 38 489 caractères · 77 écrans
と熊城は当惑したように云ったが、その鼻先に、法水は小さな紙包を突き出して、
「これを鑑識課に廻して、顕微鏡検査をして呉れ給え。黒い煤みたいなものなんだが、薬師三尊のうちの、月光の光背にだけ附いていたんだよ」と云ってから、
「赤と赤、火と火!」と小声で、夢見るような呟きをした。
薬師堂の調査を終ってから池畔に出ると、法水が何時の間にか喬村の許へ使を出したと見えて、一人の刑事が一通の封書を手に戻って来た。それには、走り書で次のような文章が認められてあった。
――胎龍君が殺害されたとは実に意外だ。だが、それ以上驚かされたのは、僕が何時の間にか事件中の一人になっていると云う事だ。君は、柳江が僕と結婚するために胎龍君の許を去りたがっている旨を告白したと云う。如何にも、それは事実だ。事実僕は柳江を愛している。そして、二人の関係は去年の暮以来続いているのだが、それが単純な思慕以上には、一歩も踏み出していない事を断って置きたい。勿論昨夜も十時頃だったと思うが、物干から下りて、十分許り池の畔で彼女に遇った。然し、幾ら世事に迂遠な僕でも、密会に均しい場所で誰が莨なんぞ喫うもんか! 以上君の質問にお答えしておく。