Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

にひゃくとおか

二百十日

夏目 漱石

Lisez 二百十日 (にひゃくとおか) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 29 466 caractères · 60 écrans

Aozora Bunko

「僕は豆腐屋の子だよ」

「へええ。豆腐屋かい」と碌さんは再び驚ろいた。

「それから垣根の朝顔が、茶色に枯れて、引っ張るとがらがら鳴る時分、白い靄が一面に降りて、町の外れの瓦斯灯に灯がちらちらすると思うとまた鉦が鳴る。かんかん竹の奥で冴えて鳴る。それから門前の豆腐屋がこの鉦を合図に、腰障子をはめる」

「門前の豆腐屋と云うが、それが君のうちじゃないか」

「僕のうち、すなわち門前の豆腐屋が腰障子をはめる。かんかんと云う声を聞きながら僕は二階へ上がって布団を敷いて寝る。――僕のうちの吉原揚は旨かった。近所で評判だった」

隣り座敷の小手と竹刀は双方ともおとなしくなって、向うの椽側では、六十余りの肥った爺さんが、丸い背を柱にもたして、胡坐のまま、毛抜きで顋の髯を一本一本に抜いている。髯の根をうんと抑えて、ぐいと抜くと、毛抜は下へ弾ね返り、顋は上へ反り返る。まるで器械のように見える。

「あれは何日掛ったら抜けるだろう」と碌さんが圭さんに質問をかける。

「一生懸命にやったら半日くらいで済むだろう」

「そうは行くまい」と碌さんが反対する。

「そうかな。じゃ一日かな」

「一日や二日で奇麗に抜けるなら訳はない」