Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

にせんどうか

二銭銅貨

黒島 伝治

Lisez 二銭銅貨 (にせんどうか) de 黒島 伝治 (くろしまでんじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 3 014 caractères · 6 écrans

Aozora Bunko

雑貨店の内儀に緒を見せて貰いながら、母は、

「藤よ、そんなに店の物をいらいまわるな。手垢で汚れるがな。」と云った。

「いゝえ、いろうたって大事ござんせんぞな。」と内儀は愛相を云った。

緒は幾十条も揃えて同じ長さに切ってあった。その中に一条だけ他のよりは一尺ばかり短いのがあった。スンを取って切って行って、最後に足りなくなったものである。

「なんぼぞな?」

「一本、十銭よな。その短い分なら八銭にしといてあげまさ。」

「八銭に……」

「へえ。」

「そんなら、この短いんでよろしいワ。」

そして母は、十銭渡して二銭銅貨を一ツ釣銭に貰った。なんだか二銭儲けたような気がして嬉しかった。

帰りがけに藤二を促すと、なお、彼は箱の中の新しい独楽をいじくっていた。他から見ても、如何にも、欲しそうだった。しかし無理に買ってくれともよく云わずに母のあとからついて帰った。

二

隣部落の寺の広場へ、田舎廻りの角力が来た。子供達は皆んな連れだって見に行った。藤二も行きたがった。しかし、丁度稲刈りの最中だった。のみならず、牛部屋では、鞍をかけられた牛が、粉ひき臼をまわして、くるくる、真中の柱の周囲を廻っていた。