Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

こうび

交尾

梶井 基次郎

Lisez 交尾 (こうび) de Kajii Motojirō (梶井 基次郎) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 5 765 caractères · 12 écrans

Aozora Bunko

河鹿を見ようと思えばまず大胆に河鹿の鳴いている瀬のきわまで進んでゆくことが必要である。これはそろそろ近寄って行っても河鹿の隠れてしまうのは同じだからなるべく神速に行なうのがいいのである。瀬のきわまで行ってしまえば今度は身をひそめてじっとしてしまう。「俺は石だぞ。俺は石だぞ。」と念じているような気持で少しも動かないのである。ただ眼だけはらんらんとさせている。ぼんやりしていれば河鹿は渓の石と見わけにくい色をしているから何も見えないことになってしまうのである。やっとしばらくすると水の中やら石の蔭から河鹿がそろそろと首を擡げはじめる。気をつけて見ていると実にいろんなところから――それが皆申し合わせたように同じぐらいずつ――恐る恐る顔を出すのである。すでに私は石である。彼らは等しく恐怖をやり過ごした体で元のところへあがって来る。今度は私の一望の下に、余儀ないところで中断されていた彼らの求愛が encore されるのである。

こんな風にして真近に河鹿を眺めていると、ときどき不思議な気持になることがある。芥川龍之介は人間が河童の世界へ行く小説を書いたが、河鹿の世界というものは案外手近にあるものだ。