Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

いまどしんじゅう

今戸心中

広津 柳浪

Lisez 今戸心中 (いまどしんじゅう) de 広津 柳浪 (ひろつりゅうろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 36 688 caractères · 74 écrans

Aozora Bunko

お熊が言ッた通り、平田も今夜はもう去るんだと見えるな。座敷が明いたら入れてくれるか知らん。いい、そんなことはどうでもいい。座敷なんかどうでもいいんだ。ちょいとでも一しょに寝て、今夜ッきり来ないことを一言断りゃいいんだ。もう今夜ッきりきッと来ない。来ようと思ッたッて来られないのだ。まだ去らないのかなア。もう帰りそうなものだ。大分手間が取れるようだ。本統に帰るのか知らん。去らなきゃ去らないでもいい。情夫だとか何だとか言ッて騒いでやアがるんだから、どうせ去りゃしまいよ。去らなきゃそれでいいから、顔だけでもいいから、ちょいとでもいいから……。今夜ッきりだ。もう来られないのだ。明日はどうなるんだか、まア分ッてるようでも……。自分ながら分らないんだ。ああ……」

方角も吉里の室、距離もそのくらいのところに上草履の音が発ッて、「平田さん、お待ちなさいよ」と、お梅の声で呼びかけて追いかける様子である。その後から二三人の足音が同じ方角へ歩み出した。

「や、去るな。いよいよ去るな」と、善吉は撥ね起きて障子を開けようとして、「またお梅にでもめッけられちゃア外見が悪いな」と、障子の破隙からしばらく覗いて、にッこりしながらまた夜具の中に潜り込んだ。