Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しゃぼてんのはな
仙人掌の花
山本 禾太郎
Lisez 仙人掌の花 (しゃぼてんのはな) de 山本 禾太郎 (やまもとのぎたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 9 282 caractères · 19 écrans
それは到底、あなたの前に、私と云うものを現すことが、出来ないからです。この頃では、あなたの姿を見なかった方が、幸福であったようにさえ思われます。
私は今一枚の画を書いています。その画が出来上りましたら、あなたのお目にかけてそれを最後に、あなたへの手紙を再び書くまいと決心しています。
この手紙を読んだ閑枝は、深い淋しさを感じた。それは愛とか恋とか云うものとは別な、なんとも訳のわからぬ淋しさであった。何時の間にか閑枝の心に描かれた未知の手紙の男は、次第にその形をはっきりと現わして、閑枝の心に深く刻みつけられているのであった。
日が暮れていた。閑枝はまたしても窓越しに柳の葉の暗い茂みを瞶めていた。
(四)
閑枝の京へ帰る日が次第に近くなってきた。それは病気も多少は快くなっているし、こう云う淋しいところに、いつまでも一人で置くことは、却て本人の気を憂鬱にすると云う、兄の注意もあったからである。
京都へ帰ることになっても、閑枝は別に嬉しいとは思わず、またこの土地に大して執着も持って居なかったが、ただ無名の手紙の主が、何人であるかと云うことだけは、知りたいと思った。