Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はくしゃくのかんざし
伯爵の釵
泉 鏡花
Lisez 伯爵の釵 (はくしゃくのかんざし) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 19 403 caractères · 39 écrans
木下闇、その横径の中途に、空屋かと思う、廂の朽ちた、誰も居ない店がある……
四
鎖してはないものの、奥に人が居て住むかさえ疑わしい。それとも日が暮れると、白い首でも出てちとは客が寄ろうも知れぬ。店一杯に雛壇のような台を置いて、いとど薄暗いのに、三方を黒布で張廻した、壇の附元に、流星の髑髏、乾びた蛾に似たものを、点々並べたのは的である。地方の盛場には時々見掛ける、吹矢の機関とは一目視て紫玉にも分った。
実は――吹矢も、化ものと名のついたので、幽霊の廂合の幕から倒にぶら下がり、見越入道は誂えた穴からヌッと出る。雪女は拵えの黒塀に薄り立ち、産女鳥は石地蔵と並んでしょんぼり彳む。一ツ目小僧の豆腐買は、流灌頂の野川の縁を、大笠を俯向けて、跣足でちょこちょこと巧みに歩行くなど、仕掛ものになっている。……いかがわしいが、生霊と札の立った就中小さな的に吹当てると、床板ががらりと転覆って、大松蕈を抱いた緋の褌のおかめが、とんぼ返りをして莞爾と飛出す、途端に、四方へ引張った綱が揺れて、鐘と太鼓がしだらでんで一斉にがんがらん、どんどと鳴って、それで市が栄えた、店なのであるが、一ツ目小僧のつたい歩行く波張が切々に、藪畳は打倒れ、飾の石地蔵は仰向けに反って、視た処、ものあわれなまで寂れていた。