Classiques japonais avec furigana
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しゅんかん
俊寛
菊池 寛
Lisez 俊寛 (しゅんかん) de 菊池 寛 (きくちかん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 17 455 caractères · 35 écrans
ひたすらに都会生活に憧れていた彼は、そうしたことを真似てみようという気は起らなかった。が、現在の彼は、土人に習って漁りをしてみようと考えた。その頃の島は、鰻を取る季節であった。永良部鰻は、秋から冬にかけて島の海岸の暖かい海水を慕って来て、そこへ卵を産むのであった。土人は、海水の中に身を浸してそれを手捕りにした。俊寛も、それに習った。最初は、いくど掴んでも掴み損ねた。土人は、あやしい言葉で何かいいながら、俊寛をわらった。が、俊寛は屈しなかった。三日ばかりも、根よく続けて試みているうちに、魯鈍で、いちばん不幸な鰻が、俊寛の手にかかる。五日と経ち、七日と経つうちに、どんな敏捷な鰻でも俊寛の手から逃れることができなくなってくる。彼は、何十匹と獲た鰻のあごに蔓を通し、それを肩に担ぐ。蔓が、肩に食い入るように重い。が、自分が獲ったのであると思うと、一匹だって、捨てる気はしない。小屋へ帰ってから、彼は小太刀で腹を割き、腸を去ってから、それを日向へ乾す。半月ばかり鰻を取っているうちに、小屋の周囲は乾した鰻でいっぱいになる。そのうちに、鰻の取れる季節は、過ぎ去ってしまう。