Classiques japonais avec furigana
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ぼくはこれからだ
僕はこれからだ
小川 未明
Lisez 僕はこれからだ (ぼくはこれからだ) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 8 555 caractères · 17 écrans
彼は、すぐいくことにしたのです。ペンキの入ったかんをぶらさげて、高い屋根へ上るのは容易なことではありませんでした。びくびくすると、かえって両脚がふるえました。
「平気で、どんなところでも、鼻唄をうたって歩けるようにならんければ、一人まえとはいえない。」と、親方は、笑いました。
「そうだ、人間のできることで、自分にできぬというはずはない。」と、歯ぎしりをして、たとえ危険な場所へでも、親方が上るところへは、自分も上っていったのでした。
かくして、一年とたたぬうちに、彼はもう大胆にりっぱに、仕事ができるようになりました。
あるとき、親方は、つくづくと彼の仕事ぶりを見ていたが、
「おまえは、いつまでも、ペンキ屋で暮らそうとは思わないだろうが、いったいなにになりたい気なのだ。」と、彼にききました。
「僕は、軍人になりたい。」と達吉は、答えたのです。いつか准尉にあってから、彼はそう心の中で思ったのでした。
「軍人にか、それはいい。おまえは、脊は低いが、なかなか強情だから、いい軍人になれるだろう。」と親方は、達吉の意見に、反対しませんでした。
勝ち気の達吉は、同じ年ごろの少年が学校へいくのを見たりすると、うらやむかわりに、夜も、疲れた体を小さな机の前にもたせて、航空雑誌を読んだり、地理や、歴史を復習したりしていました。