Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

にゅうえいぜんご

入営前後

黒島 伝治

Lisez 入営前後 (にゅうえいぜんご) de 黒島 伝治 (くろしまでんじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 2 353 caractères · 5 écrans

Aozora Bunko

私の這入る聯隊は、城のすぐ下にあるのだ。

宿は、入営する者や、送って来た者やで、ひどくたてこんでいた。寝る時、蒲団が一畳ずつしかあたらなかった。私は親爺の分と合わして一つを敷き一つを着て、二人が一つになって寝た。私は、久しく親と一緒に寝たことがなかった。小さい時、八ツか九ツになるまで、親爺と寝ていたが、それ以後、別々になった。私は、小さい時のことを思い出した。親爺の肌も、皺がよって、つめたかった。たゞ昔の通り煙草の臭いだけはしていた。私は、一夜中、親爺のその煙草の臭いをむさぼるように嗅いだ。そして、私よりは冷い、親爺に一晩中、くっ付いていた。明日から二カ年間、どこへも出ることが出来なくなるのだ。

二

薄暗い、一寸、物が見分けられない、板壁も、テーブルも、床も黒い室へつれて行かれた。造りが、頑丈に、──丁度牢屋のように頑丈に出来ている。そこには、鉄の寝台が並んでいた。

これがお前の寝台だ。とある寝台の前につれて来た二年兵が云った。見ると、手箱にも、棚にも、寝台札にも、私の名前がはっきり書きこまれてあった。

二年兵は、軍服と、襦袢、袴下を出してくにから着てきた服をそれと着換えるように云った。