Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぼんじんでん

凡人伝

佐々木 邦

Lisez 凡人伝 (ぼんじんでん) de 佐々木 邦 (ささきくに) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 98 944 caractères · 202 écrans

Aozora Bunko

非常に能く神を信じた男が死んでしまった。卒業後直ぐに渡米した男はもう長いこと消息がない。地方の中学教諭が一人、保険会社の平社員が一人、牧師が一人、それから私となる。兎に角、皆飯が食える。しかし私が一番苦しい。学校を三つ掛け持っている上に、夜分内職仕事の著述をやらないと食えない。読者諸君は近頃「英文和訳の秘伝」だの「和文英訳の秘伝」だのという小冊子が続出するのに気がついているだろう。あれは私が揚げている生活の悲鳴だ。「明治学園、飯が食えん」何うやら私は一人でこの伝統を受け継いでいるような心持がする。

教諭の立花君以外は皆東京にいるので、時折顔を合せる。成金の赤羽君のところへは一週に二回、令息共の家庭教師として伺う。忌々しいが、奴、補助の積りで過分の報酬をくれるから、背に腹は代えられない。

「先生は旦那様と御同窓だそうですな?」

と或時書生が話しかけた。

「然うですよ」

「これぐらいになるお方ですから、学生時代から頭がお宜しかったんでしょうな?」

「さあ」

と私は明答を避けた。

「成功者は相貌からして違っていますね」

「図体は昔から大きかったです」

「御機敏でしたろう?」