Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

わかれたるつまにおくるてがみ

別れたる妻に送る手紙

近松 秋江

Lisez 別れたる妻に送る手紙 (わかれたるつまにおくるてがみ) de 近松 秋江 (ちかまつしゅうこう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 51 985 caractères · 103 écrans

Aozora Bunko

それが尽きると、また立ち上って暗くした。お宮は軈てぐっすり寝入ったらしい。……私は夜明けまで遂々熟睡しなかった。翌朝、お宮は、

「精神的に接するわ。」と、一つは神経の疲れていた所為もあったろうが、ひどく身体を使った。

「じゃ、これッ切り最う会えないねえ。何だか残り惜しいなあ。お別れに飯でも食べよう。……何が好いか? ……かしわにしようか。」と、私は手を鳴して朝飯を誂えた。

お宮は所在なさそうに、

「あなた、私に詩を教えて下さい。私詩が好きよッ。」と、言って自分で頼山陽の「雲乎山乎」を低声で興の無さそうに口ずさんでいる。

その顔を、凝乎と見ると、種々な苦労をするか、今朝はひどく面窶れがして、先刻洗って来た、昨夕の白粉の痕が青く斑点になって見える。「……万里泊舟天草灘……」と唯口の前だけ声を出して、大きく動かしている下腮の骨が厭に角張って突き出ている。斯うして見れば年も三つ四つ老けて案外、そう標致も好くないなあ! と思った。

「ねえ! 教えて下さい。」

と、いうから、「じゃ好いのを教えよう。」と気は進まないながら、自分の好きな張若虚の「春江花月夜」を教えて遣った。