Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

とねがわのあゆ

利根川の鮎

佐藤 垢石

Lisez 利根川の鮎 (とねがわのあゆ) de 佐藤 垢石 (さとうこうせき) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 4 875 caractères · 10 écrans

Aozora Bunko

故郷の山川草木ほど、なつかしきものはない。四季折り折りの山の姿、水の流れ。それはすべて、我が人生記録である。私は、故郷の人々がどんなに私を侮り貶しても、私は決してそれを意としない。それは、人間よりもっと偉大なものが私を温かく迎えてくれるからだ。いつなん時、故郷の上州へ帰っても、無言の赤城山と榛名山と、利根川がやわらかく微笑して流浪の子である私に、昔と変わらぬ愛情を注いでくれるのである。

なんで、故郷の山川草木が忘れられよう。なんで、尊敬と親愛とを捧げないでいられよう。それは、誰でも同じであろう。

大正の末年、流浪の果てに、私は故郷へ帰ってきた。おそい子持ちであったために、長男がまだ三歳であった。

故郷へ帰ると直ぐ私は、利根川の崖の上に佇んだ。利根は、私の子供のときと同じような響きを立てて流れている。河原の姿にも変わりはない。対岸の松林も、昔ありしままだ。なきは父と母ばかりである。

私は、我が父が私に想い残したように、私も倅に想い出を残そうと思いついた。三月中旬の北風の吹くある寒い日に、三歳になる子供を連れて、奥利根の沼田と岩本の中間にある曲っ滝へ山女魚釣りに行った。