Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぜんしょう

前哨

黒島 伝治

Lisez 前哨 (ぜんしょう) de 黒島 伝治 (くろしまでんじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 8 857 caractères · 18 écrans

Aozora Bunko

浜田はそれまで、たび/\戦場に遺棄された支那兵が、蒙古犬に喰われているのを目撃してきていた。それは、原始時代を思わせる悲惨なものだった。

彼は、能う限り素早く射撃をつゞけて、小屋の方へ退却した。が、犬は、彼らの退路をも遮っていた。白いボンヤリした月のかげに、始め、二三十頭に見えた犬が、改めて、周囲を見直すと、それどころか、五六十頭にもなっていた。川井と後藤とは、銃がないことを残念がりながら、手あたり次第に犬を剣で払いのけた。が、犬は、払いのけきれない程、次から次へとつゞいて殺倒した。全く、彼等を喰い殺さずにはおかないような勢いだった。その時、浜田は、自分の銃でない、ちがった銃声を耳にした。それは、三八式歩兵銃の銃声ではなかった。見ると、支那兵の小屋に近い方から、四五人の黒いかげが、やはり蒙古犬にむかって、しきりに射撃をつゞけていた。

小屋に残っていた六人は、窓に吊した破れたアンペラのかげから外をのぞいた。猛々しい犬は、小屋をも遠巻きに取巻いて、波のように、うごめき呻っていた。月のかげんで、眼だけが、けい/\と光っているのも見えた。すぐさま、彼等は、銃を取った。