Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぜんきてんまやけ

前記天満焼

国枝 史郎

Lisez 前記天満焼 (ぜんきてんまやけ) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 48 568 caractères · 98 écrans

Aozora Bunko

「ひょっとかすると、両方かも知れない」

「殺人の上にぶったくりか、アッハッハッ、それにしては」

若侍は横を向いた。

「安すぎますて、五両の日当」

「割増ししましょう、七両ではいかが?」

「まだ安い。駄目だ駄目だ!」

「あッ、なるほど、では八両」

「刻むな刻むな」と若侍は、グット胸を反らせたが、

「厭だと云ったらどうなさる」

「さればさ」と云うと黒鴨の武士は、スラスラとスラスラ左手へ寄った。間一間、そこで止まると、ピンと右手の肘を上げた。と自然に掌が、柄の頭へあてられた。薄っペラな態度や声にも似ず、腰が据わって足の踏まえ、ピッタリ定まって立派な姿勢。上げた右肘で敵を圧し、全身を斜めに平めかせ、首を幾何か前方へ曲げ、額い越しに睨んで狙いすました。籠めた気合で抜き打ったら、厭でも太刀は若侍の、左胴へ入るに相違ない。根岸兎角を流祖とした、微塵流での真の位、即ち「捩螺」の構えである。

「ううむこいつは素晴らしい」

それと見て取った若侍は、こう思わず呟いたが、

「しかも不気味な腥い、殺気が鬱々と逼って来る。剣呑だな、油断は出来ない」

しかしよくよく若侍には、腕に自信があると見え、刀の柄へ手もかけず、ブラッとしたままで立っていた。