Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぜんきてんまやけ

前記天満焼

国枝 史郎

Lisez 前記天満焼 (ぜんきてんまやけ) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 48 568 caractères · 98 écrans

Aozora Bunko

そこは松吉岡引である。加賀屋を活用したのである。

「おや左様でございましたか。これは失礼をいたしました。へいへい確かに宇和島様には、昨晩からお宿まりでございますよ」

――加賀屋から来たと聞いたので、番頭は安心をしたらしい。

「ちょっくらお目通りいたしたいもので」

「ちょっとお待ちを」と云いながら、番頭は女中へ頤をしゃくった。取次げという意味なのだろう。

すぐに女中は小走って行ったが、どうしたものか帰って来ない。かなりの時間を取ってから、もっけの顔をして飛び帰って来たが、その返事たるや変なものであった。

「どこにもおいででございません」

「冗談お云いな、馬鹿なことを」

番頭の言葉におっ冠せ、お杉という女中は云い張った。

「いえ本当なのでございますよ。どこにもおいでなさいませんので。お部屋にも居られず厠にも居られず、もしやと思って裏庭の方まで、お探ししたのでございますが、やっぱりお姿は見えませんでした。それで、念のために一部屋一部屋、お尋ねしたのではございますが……」

「お姿が見えないというのだね」

「はい、そうなのでございますよ」

「ふふん」と云ったが怪訝そうである。