Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぜんきてんまやけ

前記天満焼

国枝 史郎

Lisez 前記天満焼 (ぜんきてんまやけ) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 48 568 caractères · 98 écrans

Aozora Bunko

叫んだ時には数間のかなたを、岡引の松吉は走っていた。

だがその行手に露地があり、そこへ駈け込んだ一刹那、またもや意外な出来事に逢った。

「無双の早業、素晴らしい手並、すっかり見ていた、立派であったぞ!」

深編笠に黒紋付、仙台平の袴を穿き、きらびやかの大小を尋常に帯び、扇を握った若侍に、こう言葉を掛けられたのである。衣裳の紋は轡である。

「え」と云った岡引の松吉は、足を止めざるを得なかった。

「お褒めのお言葉、有難いことで。……が、全体、貴郎様は?」

「拙者か」と云ったが歩き出した。

「柏屋の秘密を知って居るものだ」

「では」と云うと睨むように見た。

「宇和島様ではございませんかね?」

一種の直感で感じたのらしい。

それには返事をしなかったが、

「見受けるところ目明しだの。……柏屋から飛び出したあわただしい気振り、それもすっかり見届けた。……そこで、約束をしてもよい。お前の力になるかもしれない。この俺がな、都合次第。……今日はこれだけ。別れよう」

露地から出たが人混にまじり、間もなく姿が見えなくなった。

「おかしいなあ、何者だろう? ……宇和島という武士に相違ない。