Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぜんきてんまやけ

前記天満焼

国枝 史郎

Lisez 前記天満焼 (ぜんきてんまやけ) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 48 568 caractères · 98 écrans

Aozora Bunko

乞食の上州はニヤリとしたが、

「不景気以上の大飢饉で、どこへお貰いに参りましても、まるで人間の藪蚊のように、相手に致してはくれませんなあ」

云い云い上州は坐り込んだが、妙におかしなところがある。髯こそぼうぼうと生えているが、そうして垢で埋まってはいるが、太い眉に秀でた額、極めて高尚な高い鼻、トホンとした眼付きはしているが、よく見ると充分に知的である。だが口付きは笑殺的で、酸味をさえも帯ている。尋常な乞食とは思われない。

「こいつどうにも怪しいなあ」

――そこは松吉商売柄だ、何か看破をしたらしい。

と、ソロソロと懐中の内へ、右の片手を突っ込んだが、

「私の云ったのはそうではない。お前さんのような由緒のある人を、乞食の身分に落とし入れた、世間のやつらが藪蚊だというので」

「え?」と乞食は眼を据えたが、

「この私が由緒のある。……」

「おい!」

「へい」

「正体を出せ!」

「何で?」と立とうとするところを、

「狢め!」と一喝浴びせかけ、引き出した十手で、ガンと真向を! ……

「あぶねえ」と左へ開いたが、

「御冗談物で、親分さん」

「まだか!」

懐中の縄を飛ばせた。

「どうだァーッ」