Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
けんきょう
剣侠
国枝 史郎
Lisez 剣侠 (けんきょう) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 156 961 caractères · 310 écrans
「お組」と仰天していざり寄り浪之助は抱き起こした。
「しっかりおし、心をたしかに!」
その時背後から声がかかった。
「源女殿いつもの病気でござるか」
驚いて浪之助は振り返って見た。
いつ来たものか三十五六の武士が、眉をひそめながら立っていた。
5
額広く眉太く、眼は鳳眼といって気高く鋭く、それでいて愛嬌があり、鼻はあくまで高かったが、鼻梁が太いので険しくなく、仁中の深いのは徳のある証拠、唇は薄くなく厚くない。程よいけれど、大形であった。色が白く頬が豊かで、顎も角ばらず円味づいていた。身長は五尺五六寸もあろうか、肉付は逞しくあったけれど贅肉なしに引きしまっている。髪は総髪の大髻で、髻の紐は濃紫であった。黒の紋付に同じ羽織、白博多の帯をしめ、無反に近い長めの大小の、柄を白糸で巻いたのを差し、わざと袴をつけていないのは、無造作で磊落で瀟洒の性質をさながらに現わしていると云ってよろしく白博多の帯と映り合って、羽織の紐が髻と同じ、濃紫であるのは高尚であった。
そういう武士が立っていた。
と見てとって浪之助は、思わず「あッ」と声を上げ、抱えていた源女を放したかと思うと、四五尺がところ後へ辷り、膝へ手を置いてかしこまってしまった。