Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

けんきょう

剣侠

国枝 史郎

Lisez 剣侠 (けんきょう) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 156 961 caractères · 310 écrans

Aozora Bunko

舞台には華やかな牡丹燈籠が、二基がところ立ててあり、その背後には季節に適わせた、八橋の景が飾ってあり、その前に若い娘太夫が、薄紫熨斗目の振袖で、金糸銀糸の刺繍をした裃、福草履を穿いたおきまりの姿で、巧みに縄をさばいていた。

「おや、ありゃア源女じゃアないか」

驚いて浪之助は口の中で叫んだ。

娘太夫は源女のお組、それに相違ないからであった。

瓜実顔、富士額、薄い受口、切長の眼、源女に相違ないのであった。ただ思いなしか一年前より、痩せて衰えているようであった。

(舞い戻ってこの席へ出たものと見える)

油然と恋心が湧いて来た。

(逢って様子を聞きたいものだ)

その時源女が昔ながらのとはいえ少し力の弱い声で、

「独楽は生独楽生きて廻る」と、口上を節づけて述べ出した。

「縄も生縄生きて動く。……小だめしは返り来の独楽、縄を離れても慕い、翻飜として飛び返る。ヤーハッ」と云ったかと思うと、右手の振袖が渦を巻き、瞬間縄が宙にほぐれ、差し渡し五寸もあるらしい、金蒔絵黒塗り銀心棒、朱色渦巻を胴に刻った独楽が、唸りをなして舞い上り、しばらく宙に漂うように見えたが、あだかも生ける魂あって、すでに源女に手繰られている、絹、麻、髪を綯いまぜて造った、鼠色に見える縄を目掛け追うかのように寄って来た。