Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

そうさくじんぶつのなまえについて

創作人物の名前について

夢野 久作

Lisez 創作人物の名前について (そうさくじんぶつのなまえについて) de 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 6 228 caractères · 12 écrans

Aozora Bunko

第三の条件は読者に記憶され易いことである。これは特にむずかしい条件であるが、創作人物の名前を選むについては第一の条件と共に最重要な考慮を払わなければならぬ問題である。

……といっても理屈は別にむずかしい事ではない。

早い話が田中とか、山本とか、林、中村、又は長兵衛、芳夫、太郎、次郎、三郎といったようなアリフレた名前をヤタラに組合わせて並べて行くと、読者はキット途中で作中の人物を混線さしてしまう。筋からハグラかされてアクビを出すか、本を投出すかするところがあるのだから、こんなのは先ず遠慮した方が賢明である。

そうかといって猫舌とか、鰐口とか、黒手とか赤足とかいったような突飛な名前を持出すと、その一つでも全篇の実感をワヤにする虞がある。又は長谷倉とか東海林とかいったような稀有の実在名を持出すと振仮名の間違いという恐ろしい危険に陥り易いし、わざとらしい感じが必ず附き纏うのだから万止むを得ない限り使わない方が無難と考えられる。

第四の条件は実在の名前を……たとえば電話帳などに多く出て来る名前をなるだけ使いたくない事である。

前にも述べた通り、実在しない突飛な名前を使うと、読者の記憶へは残り易い代りに、この全篇の迫真性を極度に薄める虞れが非常に大きい。