Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
げきだん「わらうようま」
劇団「笑う妖魔」
山本 周五郎
Lisez 劇団「笑う妖魔」 (げきだん「わらうようま」) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 8 705 caractères · 18 écrans
「来ないと大変だ。待っている」
相手は唯そう云っただけで電話を切った。
ゆき子を電話で誘い出したのも男の声だったと云う。すると五郎が二度聞いた声と、ゆき子を誘い出したのとは同一の男ではあるまいか。一昨日の電話で五郎が行かなかったので、ゆき子を人質代りに誘拐したのではあるまいか。
――そうだ!
五郎は低く呟いた。
――そうに違いない、ゆき子は奴の手許にいるんだ。そして僕の代りに苦しいめに遭っているんだ※(感嘆符二つ、1-8-75)
五郎は断乎として思案を決めた。
――よし、行ってやろう。相手がどんな奴で、どんな事を要求するか知らぬが、己はこの腕でゆき子を助け出してみせる。きっと助け出してみせるぞ※(感嘆符二つ、1-8-75)
五郎はその足でそっと父の書斎へ入ると、大卓子の抽出の拳銃を取り出し、弾丸を装填して自分の部屋へ帰った。朝食のときも、父には何も話さなかった。そして普段の通り学校へ出かけた。
学校の放課が四時、数寄屋橋の橋畔にそそりたつ日東劇場まで電車で二十分。四時半にはすでに、五郎はそこの地下食堂の一隅に腰を下していた。
約束の時間が迫って来るにつれて、さすがに胸が波うつように思われ、客の男女が出入りする度に若しや此奴ではないかと拳を握った。