Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かご

加護

宮本 百合子

Lisez 加護 (かご) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 16 147 caractères · 33 écrans

Aozora Bunko

さすがに彼女も、直ぐには次の言葉が継げなかった。然し、お幾は、間もなく生れ付きの楽天的な気質で、さらりと心を取なおした。今、これ位のことで怯んでいるべき場合ではない。若し一寸でも、お恵さんの心に懈怠心がきざしているとしたら、それを剪(つ)んで、本道に還して遣るのは、自分を措いて、誰がするだろう。

「ねえ、お恵さん」

お幾は徐ろに、口を切った。

「私は、どうもあなたの信心も峠に掛って来たと思いますよ。御自分ではまだ気がおつきなさらないかもしれないけれど――私も、随分、いろいろな人を見ていますからね」

「そうでしょうか……でも」

床の上に坐り、羽織を着換えながら、お恵さんは、いつもの穏やかな調子で、反問した。

「峠にかかるにしては、あまり早いじゃあありませんか。お話を伺い始めて、いくらにもなりませんよ」

「時からいえばそうですけれどね――同じ痲疹(はしか)でも、早くしてしまう児と、大きくなってする子とありましょう? やっぱりあれと同じですわね。あなたも、ほんとの信心に入れる者か入れない者か、神様のお試しに逢い始めなすったのではないかと思いますよ」

お幾さんは、それから、聴きての心を傷(そこな)わないように、しかも、自分の足場は一歩も譲らない熱誠で、神の懲戒ということを説明した。