Classiques japonais avec furigana
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かちうんまけうん
勝ち運負け運
佐々木 邦
Lisez 勝ち運負け運 (かちうんまけうん) de 佐々木 邦 (ささきくに) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 119 262 caractères · 243 écrans
「君、丈較べをしよう」
と度々申出た。僕も負けたくないから、丈伸びをして誤魔化した。その程度だった。大した違いはない。しかし相撲を取ると、僕の方が勝った。手を知っている。体力では敵わないと思うから、工夫をして頭で取る。
「僕の方が大きいんだから、負ける筈はないんだがな」
と菊太郎君はいつも量と質の差別がつかない。
「もう一番。本気になってかゝって来給え」
と僕は豊子さんに強いところを見せたかった。一度二人取組んだまゝ、菊太郎君の家の床の間へ倒れて、青磁の香炉の脚を折ったことがある。これは宝物だそうだ。僕のお父さんが、大変気の毒がって、あやまりに行った。しかし何方にしても、その後震災の時に焼ける運命を持っていた。
菊太郎君は見栄坊だった。自分だけ光りたい。そのくせ肚の中では僕を恐れている。今でもそうだが、子供の頃はそれが至って露骨だった。
「日出男君、君は勉強しちゃいけないよ」
とその後も度々念を押した。
「うむ。男子の一言、金鉄だ」
「嘘をつけば成績に現れて来るから直ぐ分るぜ」
「君は僕を疑うのか?」
と勉強しないことを意気込んで主張する僕も僕だった。
「いや、信用している」