Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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オチフルイかいじゅうろうてがらばなし

十二神貝十郎手柄話

国枝 史郎

Lisez 十二神貝十郎手柄話 (オチフルイかいじゅうろうてがらばなし) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 127 035 caractères · 254 écrans

Aozora Bunko

でのびのびと遠征軍は小屋の中で休むことが出来、元気を恢復したのであった。

十

やがて日が暮れ夜となった。

歩哨の数を二十人に増し土人軍の襲来に備え、その他は小屋で眠ることにした。人々は皆疲労れていたのですぐさま深い睡眠に落ちたが、一人ホーキン氏は眠られなかった。考えられるのはジョンの事で、兇猛無残の土人のために殺されたことには疑がいないにしても、もしやどこかに活きてはいないか? どこからか泣き声でも聞こえはしないかと、何んとなく耳を澄まされるのであった。

「もう夜も大分更けたらしい。今、少しでも眠って置かないと、明日の戦いに差し支えるだろう。眠ろう眠ろう」

と云いながら心を落ち着け眼を閉じた時、

「お父様! お父様!」

と紛れもない、ジョンの呼び声が聞こえて来た。

「おおジョンか!」

と飛び上がり、小屋の窓を開けて見た。

しかし戸外は月の光が蒼茫と空地に流れているばかり、林や森や土人小屋は、黒く朦朧と見えもするがジョンらしい少年の姿は見えない。

「ジョンの事ばかり思っていたので、それでそんなように聞こえたのであろう。……殺されたジョンがこんな夜中に何んでこんな所へ来るものか」