Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ちよこ
千世子
宮本 百合子
Lisez 千世子 (ちよこ) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N3. Touchez un mot pour le sens.
N3 · intermédiaire · kanji et kana modernes · 83 104 caractères · 164 écrans
ほんとうを云えば千世子より前に母親は海にあきて居たけれ共本人が、つれて来た本人がいやだとも云わないのに又それほどよくも見えないのに帰ろうと云う事はあんまり不真面目な様に思って居た。
「もうかえりましょう」
と云うのを心まちにまって居た。
東京に電話をかけすぐ一日置いた日に立つ事にきめてしまった。
千世子はこっちに来る時よりよけいにうれしそうにして居た。目をまっくろに光らせて健康らしい気まぐれな顔色をして母の女中相手のはかどらない荷造りまで手伝った。その前の晩は目があいたまんまで一晩中すごしたほどはずんだ心で居た。
丁寧な主人夫婦の礼言葉や子供達の御名残の言葉なんかは夢中にきいて電車に国府津までそれから汽車にのってしまった。
ゆられながら千世子はあんまりあわただしい立ち様をふり返っていろいろと思い出した。あの日に宿の女中が私の髪を結うのを見て居て手のものをおっことした事もあったっけ、あの時には――この日には――もうとっくに過ぎ去った事の様に千世子はくり返して、一番おしまいに小峯に行った事、手紙の事、それからさっき達っちゃんが、
「さようなら、又ね」
と云った言葉が思い出された。