Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ちよこ
千世子
宮本 百合子
Lisez 千世子 (ちよこ) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N3. Touchez un mot pour le sens.
N3 · intermédiaire · kanji et kana modernes · 83 104 caractères · 164 écrans
西洋紙を上にかぶせて千世子に渡した。
「源さんもHさんも、いらっしゃい」
白いのどをふくらませる様に向うの水草を見て居る二人をよんだ。
千世子は、中から三本こまっかい花をぬいた。Hさんは衿に、千世子はリボンの間に、源さんはもてあました様に人さし指と拇指でクルクル廻して居るのを、
「あんたはさすとこがないからここへしまっときなさいネ」
せまい袖口からたもとの中におっことしてやった。三人はあかるい顔をしてあっちこっちと歩き廻ったけれ共、時候のせいでどこに行ってもすきだらけだった。
「もう五時に近いぐらいですよ。行きましょう、貴方は又かぜを引くんだ、そいでなけりゃあ今夜ねられないかどっちかになってしまう」
Hさんは千世子のずったショールをなおしてやりながら云った。
「ほんとサ、ネ、千世ちゃん帰ろう」
源さんはいかにももっともらしく千世子をいたわる様に云うのが千世子には何とか云ってやりたいほどおかしくきこえた。けれ共せっかく丸くなった気分を下らない事でぶちこわすでもないと思って奥の臼歯でかみくだいてそのまんまのんでしまった。
三人は山の手電車にのった。
(八)