Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ちよこ
千世子
宮本 百合子
Lisez 千世子 (ちよこ) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N3. Touchez un mot pour le sens.
N3 · intermédiaire · kanji et kana modernes · 83 104 caractères · 164 écrans
うけもちの教師は、
「まだ少し青うござんすよ」
なんかと云って千世子のかおをわざとらしく見たりして居た。千世子はたまらなくうれしい様な事は一つもなかった、こんな事を思って居た。
「私が行く、皆がだまったまんま私のかおを見つめながら一人一人平手でソーッと丁寧に頭をなぜて行ってくれる。だまったまんま、かおを見、だまったまんま考え、だまったまんまお互の心がわかって笑う時に一所に声をあげて笑ったらさぞマアうれしい事だろう」
帰りには仲の良いK子と一緒にかえった。少しつかれて居た千世子は電車の中でかるい目まいがしてK子によろけかかった。
「どうして?」
K子はいつものふくみ声で内気らしくきいた。
「何ともないの、一寸」
小さな言葉つきで云ってかおを見合せて二人は一緒に笑った、意味もなく無意識に出た笑い――それが千世子には今までになかった――家にかえってもわすられないほどの快さだった。
それから毎日毎日千世子は考える事のない様なかおをして学校に出て四時頃かえっては本をよんだり書いたり、Hとうたをうたったりして暮して居た。
(九)
三月の末Hの仕事がすんで蓬莱町の家にかえる様になった。