Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
なんきんむしさつじんじけん
南京虫殺人事件
Lisez 南京虫殺人事件 (なんきんむしさつじんじけん) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 12 660 caractères · 26 écrans
吠えられてみると、四隣遠近犬だらけ。特に一ツの犬の声に注意のできない状態であった。
「まだ八時だから、たのんで邸内を調べさせてもらいましょう。陳という中華人の家ですから、ちょッとうるさいかも知れませんがね」
表門へまわって案内を乞う。門番の小屋があって、中年の日本人の下婢が顔をだした。奥の本邸とレンラクの後、案外カンタンに庭内の捜査を許してくれたが、なるほど入口には物凄いドーベルマンとシェパードがいて、一足はいると跳びかかる構えで睨んでいる。
「その犬をつないでくれませんか」
「ええ、いま、つなぎますよ」
「ずッと放しておいたんですか」
「ええ、そう。日が暮れると、毎晩放しておくんですよ」
「すると、奴さん、やられてるな」
ところが、庭をくまなく捜したけれども、男の姿はどこにも見えない。犬と格闘した跡もない。塀をとび降りた場所にいくらか乱れが目につくだけだ。
「オヤ、なんでしょうね」
懐中電燈で執念深く捜しまわっていた百合子は、男がとび降りた地点の木の根に、小さな光るものを見つけて取りあげた。
「金の腕時計だわ。婦人用の南京虫。男が南京虫を腕にまくかしら?」
奇妙な謎の拾い物であった。