Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

なんばんひわもりうこんまる

南蛮秘話森右近丸

国枝 史郎

Lisez 南蛮秘話森右近丸 (なんばんひわもりうこんまる) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 55 869 caractères · 112 écrans

Aozora Bunko

「お父様!」と物狂わしく、もう一度叫ぶと両手を延ばし、父の体を抱き上げた。脈もなければ温気もない、全身すでに硬直している。父はこの世の人ではなかった。父は死んでいるのであった。

これが気弱の娘なら、取り乱したに相違ない。泣き喚いたに相違ない。気絶ぐらいはしただろう。しかし民弥は強かった。眼から涙を流しながらも、しっかり奥歯を噛みしめていた。ブルブル全身を顫わせながらも、気の遠くなるのを我慢した。

しばらく心をしずめたのである。

「誰が、どうして、何の為に、お父様のお命を絶ったのだろう?」

ズーッと部屋の中を見廻してみた。

「窓が一杯に開いている。用心深いお父様、開けたままお寝になるはずはない。誰かが開けたに相違ない。その誰かが下手人なのだ。……部屋の中が乱暴に取り散らしてある。どうやら何かを探したらしい。とするとあれだ! 唐寺の謎!」

父の殺された原因は、これでどうやら解ってきた。

「お父様が苦心して研究された、唐寺の謎の材料を、盗み取ろうとしたものが、お父様のお命を絶ったのだ」

そこで死骸を調べ出した。切り傷もなければ突き傷もない。絞め殺された跟跡もない。