Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

なんぶのはなまがり

南部の鼻曲り

久生 十蘭

Lisez 南部の鼻曲り (なんぶのはなまがり) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 12 683 caractères · 25 écrans

Aozora Bunko

「おい、モオリー、お前はやはり魚洗で鮭の臓腑をいじっているほうがいいんじゃないのか」

Take it from me 悪いことはいわないぜ、と忠告すると、モオリーは例によって、むやみにこめかみのあたりをひきつらせながら、

「You don’t know me yet.」

あなたは私というモノを知らないのである。日本人がやれることを、どうしてアメリカ人がなし能わざるであろうか、ain’t it? というむずかしいことになった。

おれは敗亡して、結構、ではやってみるがよかろうといって放りっぱなしておくと、果せるかな、叩きつけそこなって鮭をばらまく、そいつを大汗で掻き集めて罐へおしこむ、それをまたばらまくというえらい騒ぎになった。そのうちにいよいよ手に負えなくなって、むやみに調帯をとめるので、だんだん罐がたまりこんで収拾のつかぬ状態になった。

おれはべつに気の毒だとは感じない。心中、これは面白いと思っているものだから、どうするつもりだろうと興味をもって眺めていると、モオリーはどこかへ行って角砂糖挾みと辛子匙と椅子を持ってきて、どっかりと椅子に腰をおろすと、貯めこんだ罐には眼にもくれず、糞落着きにおちついてトングとスプーンを使って毛彫細工のような克明な仕事をやりはじめた。