Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

なんぶのはなまがり

南部の鼻曲り

久生 十蘭

Lisez 南部の鼻曲り (なんぶのはなまがり) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 12 683 caractères · 25 écrans

Aozora Bunko

モオリーはなおりもせず、悪くもならないという状態で八月の中頃まで寝ていた。おれも根気よく通った。アラスカにも夏が来て、沼の岸にきんぽうげや釣鐘草が咲く。それを摘んで持って行ってやると、モオリーはそのたびに当惑したような羞かんだような、なんともいえないふしぎな表情をうかべた。

「どうもありがとう」

「これだって、いくらか飾りになるぜ」

「アラスカまで稼ぎにくる人間に、花なんか無意味ですよ」

などといった。

ある日、モオリーはめずらしく顔に血の気を見せて、日本の草花のことをたずねていたが、そのうちに、じぶんの父親は盛岡の近くの相馬という村から移住したというような話をしかけたが急に気まずそうな顔をして黙りこんでしまった。

講談はおれのもっとも好むところだから、たちまち連想が働いて、

「お前の日本名は下戸米秀吉というのだったな。するとお前は相馬大作の子孫というわけか」

とたずねると、モオリーは渋ったようで、いつか父がそんなことをいったことがあるとこたえた。

おれは面白くなって、

「へえ、そうか。するとお前の鼻曲りは血筋のせいなんだな」

といった。モオリーはそれはなんのことかときくから、南部藩士下斗米秀之進、後の相馬大作が、南部藩の領地を私収した津軽藩主を三代までたおし、とうとう本懐をとげた次第から、矢立嶺の張抜筒と佐田