Classiques japonais avec furigana
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きょうふのきせつ
叢書名著の復興1 恐怖の季節
三好 十郎
Lisez 叢書名著の復興1 恐怖の季節 (きょうふのきせつ) de 三好 十郎 (みよしじゅうろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 257 544 caractères · 508 écrans
真壁の、それを……。
仙太 (急に立って)ええい、まだいうのか! こ、こ、この(思わず左の手が腰に行っている。一足パッと飛下って仙太を睨んで立つ長五郎。……間……ヒョイと自分が何をしようとしていたかに気づく仙太、気を変えて傍を見るが、胸中の欝屈のはけ口を見出し得ない焦立たしさに、黙って茶店の前を彼方へ歩き此方へ歩きはじめる)
(花道より袋をかつぎ、手拭で頬被り、すそをはし折ったお妙出る。その前後を取巻き、すがりついて互いに手を引き合った八人の男女の子供達――餓え疲れて眼ばかりキョトキョトさせ、はだしだ。中に割に身体の大きい男の子二人は竹槍を杖に突いている。その後に幼児を負った女房二人――これは餓えと疲れの上に極度の不安のために気も遠くなったらしい様子で、ボンヤリ無言で、フラフラついて来る)
子供一 やあ、町が見えら!
子供二 取手の町だんで! 父ちゃん兄ちゃんが待っとるぞ!
子供三 父うにあったら、おら、おまんまば食わしてもらうのじゃ! そいから、江戸へ行くんじゃ! な、嬢様!
(お妙、そういう子供三の顔を見ていたが、フイと横を向いて黙ってスタスタ行く。子供等、女房達もそれを追って、一同七三に立つ)