Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ふるきミニエチュア

古き小画

宮本 百合子

Lisez 古き小画 (ふるきミニエチュア) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 70 298 caractères · 140 écrans

Aozora Bunko

「ああ、ああ……」

若者は、涙の乾いた悲しい声を号泣するように永く引張って、体を動かした。熱い砂上に吸われて行く血の匂いが、ルスタムの鼻を刺した。彼れは、一層顔を近づけて訊きかえした。

「ルスタムがどうしたというのだ」

若者は、ぼんやり開けて天の青空を映していた瞳をぐるりと動かし、犬のような罪のない、遠くを見る眼差でルスタムを見た。

「ああ。――ルスタム」

若者は喘いで、むせた。

「ルスタムが、儂の讐を討ってくれる。イランのルスタムは――白い馬に――ああ会ったら云え……ルスタムはわが父だ。ここに、ここに、……」

ルスタムは、倍にもなったように眼を見開き息をつめて起き上った。地面と輝く天とがぐらぐら目先で揺れて一緒くたになった。

彼は、急に何処かを打たれたように、若者の上におっかぶさり、熱心に、早口にきいた。

「卿の名を云え。母は? 父は? 確りしろ。名は何というのだ」

五十一

スーラーブは、微かに、然し明瞭に「母は? 父は?」と自分の傍で呼んでいる声をききわけた。捕えどころのない優しい感情ののこりと、説明の必要を知る実際的な意識とが、ひくひくする小虫のように、彼の心で動いた。