Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ふるきミニエチュア

古き小画

宮本 百合子

Lisez 古き小画 (ふるきミニエチュア) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 70 298 caractères · 140 écrans

Aozora Bunko

ちっとも、自分の希いは思ってくれなかった。最も近いそれらのひとびとから、政治的に何ぞというと掣肘(せいちゅう)を加えずに置かない冷血な、蒼白いアフラシャブに至る迄、今のスーラーブには一人として、心の通じ合う、誠を以て尽し合う者はなく感じられた。

ただ、ルスタム、父。その繞りだけは生命がある。真心と自分を牽く光明とがある。けれども、何か異常なことが起り、周囲の絆を断ち切って、真直自分がイランに飛んで行けない限り、その退屈な、石塊のような、生活を続けなければならないのだ。

スーラーブは、太い、激しい息をつき、今、ここから、そのまま双手を翼に変えて、翔び立ってしまいたく思った。時が来る迄に、無意味な日々が、いつとはなく自分の筋骨を鈍らせ、衰えさせてしまいはしまいかと考えると、ぞっとする懼れが心を噛んだ。

万一、機会が来る迄に、もう老年に達したに違いない、父が死ぬことがありはしまいかと思うと、スーラーブは、無言に、辷り、移ろう日かげを掴み、引止めて置きたいほど不安になった。

スーラーブは、広い空の裡に、ただ自分と父だけの命を感じた。見えない、ずっと遠い彼方の端に父はいる。