Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ふるいど
古井戸
豊島 与志雄
Lisez 古井戸 (ふるいど) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 21 433 caractères · 43 écrans
鉄棒、荒縄、鍬そんなものが用意された。
石は半ば土に埋ってるように見えたが、案外底が平らで、実は地面にのっかってるだけだった。深く掘る必要はなかった。然し、鉄棒を梃にして押し動かそうとすると、そこの地面が崩れ落ちたり、足がめいり込んだりして、一寸困難だった。がそれが却って仕合せで、荒縄を下から通すことが出来て、二人で運び動かせた。
ほっと息をついて、見ると、思いもよらない大きな穴が、宛も陥没地のような風に、縁に一尺ばかりの断層を見せて、そこに口を開いていた。
「一体何でしょう、ここは……。」
彼はちらと松木の顔を見やった。
「池でも埋めた跡ですかな。」
松木はそっぽを向いて、額の汗を拭いていた。
「それにしても……。」
方々を力足で踏んで見ると、陥没の範囲が次第に大きくなっていった。
「掘ってみましょうか。」
「さあーうっかり手をつけて……。」
「なあに、御自分の庭じゃありませんか。金魚池でも掘るつもりにすりゃあ……。」
松木はじろりと彼の顔を見た。
「なるほど、金魚池……。」一寸間を置いてから早口に云い初めた。「光子が金魚が好きでしてね。随分買ってやったものですが、何しろ硝子の容物でしょう、じきに死んでしまうので、それきり一切金魚は止めましたが、ここに池を掘ってやりゃあ、そんなこともありますまい。