Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

こくをみる

古句を観る

柴田 宵曲

Lisez 古句を観る (こくをみる) de 柴田 宵曲 (しばたしょうきょく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 166 028 caractères · 333 écrans

Aozora Bunko

われわれもこの句を読むと、遊びほうけて夕方まで戸外にいた少年の日のことが、なつかしく心に浮ぶのである。

平凡な句のようでもある。しかし一概にそういい去るわけにも行かぬのは、必ずしも少年の日の連想があるためばかりとも思われぬ。

鳶尾の葉はみなぬれにけり初しぐれ    鼠弾

「鳶尾」はシャガと読むのであろう。あやめに似て小さい花をつける、菖蒲の種類としては最も見ばえのせぬものである。花は夏の季になっており、俳句の材料にもしばしば用いられているが、葉を取上げたのはあまり見たことがない。

シャガの葉は冬を凌いで枯れぬ。その青い葉が時雨に濡れて、ほのかに光を帯びている。見るからに寒げな趣である。これが石蕗の葉か何かであると、形も大きいし、冬の季のものでもあるから、さほどのこともないけれども、花が咲いていてさえ見ばえのせぬシャガの、遺却されたような葉に時雨が降る。そこに初冬らしいもののあわれが感ぜられる。秋を経て枯れ枯れになった植物にそそぐ時雨よりも、冬に到ってなお緑を変えぬところに、かえって目立たぬシャガの寂しさがある。「みなぬれにけり」という言葉も率直にこの感じを悉しているように思う。